薬師寺広の『ノーカット放送室』

ゴルフキャスター・薬師寺広が、遼くんやタイガーら有名選手の“TVでは語りつくせない”とっておきのツアーネタを語りつくす!薬師寺広の『ノーカット放送室』

世界で羽ばたく選手を一人でも多く育てるためには。

20100308_2 「日本一、幸せな父です」この言葉は宮里優さん、藍ちゃんのお父さんの言葉です。

 先週、仕事で日本の女子ツアー開幕を控えた沖縄に仕事で行っていました。幸い、宮里優さんとお会いすることができ、アメリカ女子ツアー開幕2連勝の偉業を成し遂げた宮里藍選手について「おめでとうございます」と、ご挨拶をすることが出来ました。

 お父さんの少しはにかんだ本当にうれしそうな笑顔と「日本一、幸せな父です」の言葉が印象的でした。

 今週の宮里藍選手は日本の女子ツアー開幕戦優勝をかけてのプレーでした。残念ながら、3試合連続と前人未踏のアメリカ、日本ツアー開幕優勝とはなりませんでしたが、宮里藍選手は2010年シーズン好スタートを切りました。今期開幕戦から2連勝、ロレックスランキング(世界ゴルフランク)も3位、宮里藍選手の今年の目標であるプレーヤー・オブ・ザ・イヤーと、本人の目標である全米女子オープン優勝に向けてのこれからのプレーが楽しみです。藍ちゃんは着々と世界のトップに立つべく進んでいるようです。頑張れ!藍ちゃん。

 今週、日本の女子ツアーが開幕しました。しかし男子ツアーは4月のマスターズ終了後にやっと開幕です。男子ツアーの選手達は昨年の日本シリーズ以来、約5ヶ月も試合がないのです。世界で戦える選手は本当に育つのでしょうか?

ヨーロピアンツアーは昨年の12月から既に2010年シーズンは始まり10試合を消化しました。PGAツアーも同じく10試合を消化し世界の2大ツアーはエンジン全開状態でメジャー初戦のマスターズに入ります。皆さんもそうでしょうが、私もトーナメント中継を担当していて一人でも多くの日本人選手に世界最高峰の舞台であるPGAツアーで活躍してもらいたいのです。

昨年の日本の賞金王である石川遼選手はロイヤルトロフィー、WGC-マッチプレー、PGAツアーを数試合経験してマスターズに臨み、ゴルフはトップギアに入って日本の開幕を迎えられます。しかし多くの選手は4月が初戦ですから世界の選手から比べると遅れを取っていると言えるでしょう。

さて、日本の選手が世界の舞台でプレーするには世界ゴルフランキングを上げることです。それも50位位内です。世界ランク上位者に入っていると、日本の試合の無い時期でもWGCやPGAツアー、ヨーロピアンツアーに出場出来るチャンスが広がるのです。

試合感を保った状態で日本の開幕戦を迎えられるのです。
そのためにも世界ランクを上げる必要があるのです。

ちなみに現在、50位内に入っている日本人選手は石川遼選手と池田勇太選手の2人だけです。

 世界ランク上位者を育てるためには、ヨーロピアンツアーを参考にするのも良いかも知れません。現在、ヨーロピアンツアーで育った選手は世界ランクの上位に多くいます。世界ランクから分析すると世界ランク50位以内のうち、約50%がヨーロピアンツアー出身者で占められています。純粋にホームツアーをヨーロピアンツアーにしている選手は20%の10人程。全体の60%がヨーロピアンツアー関係選手となります。

 ところで以前、ヨーロピアンツアーとはいえ、トーナメントに陰りが見え始めていた時がありました。そんな中、1999年からマレーシアでアジアンツアーとヨーロピアンツアーの共催トーナメントを開催したのです。それ以来、アジアでは中国、香港、インド、インドネシア、韓国、マレーシア、シンガポール、中東にオーストラリア、南アフリカ等、多くの共催イベントを開催しているのです。試合数も年間で60試合近くに増えたのです。

 こうすることにより、選手は休みなく試合に出ることが出来ると共に、力もつきます。努力次第では世界ランクを上げることが可能なのです。その上、出場最低義務の試合数は11試合と他のツアーと比べると(PGAツアー15試合、日本ツアー16試合)少ないですから、力を試したい選手や状態の良い選手はPGAツアーに挑戦出来るシステムが出来ているのです。

 挑戦出来るチャンスが多くあるのは、ヨーロピアンツアーの様に思います。ヨーロピアンツアーとの共催によりアジアンツアーからはY・E・ヤンやジーブ・ミルカ・シン、トンチャイ・ジャイディなど多くの選手が育っているのです。

 試合数を増やし、世界ランクを上げられるシステムを作ることは出来ないのでしょうか?宮里藍選手の様に一人でも多くの日本人選手が世界の舞台で活躍する姿を見たいと思います。